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歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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蜘蛛が邪魔する天気雨。

47話、せめてキリよく50話で終わりたい。

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何なんだよ、こいつ。ありえないだろ。常軌を逸してる。おかしい。狂ってる。

人間はみんな一緒なんかじゃなかった。

明らかに人間の枠から外れた奴が目の前にいる。

「……、っ……。」となりでガッキーが歯ぎしりするのが聞こえた。許せるわけがない、こんなの。人を、殺しておいてなおも笑っていられる。

「煮るなり焼くなり好きにしなよぉ。僕は今まで罪を見逃され続けてきた。ツケが回ってきたねぇ! あっはっはっはっはっはっはっはあはあはっはああははっはああーー。」

たっつんは一度そこで息をつくと、

「君のお母さんにも聞いてみればぁ?」と、切り出した。

多分これは、遺影に話しかけるような意味で言いたかったのだろう。だが、俺たちにとってその言葉は、全く別の意味を持っていた。

「ガッキー!!」「うん!!」頷き合うと、「先輩はそこで待ってろ!」たっつんを置き去り、玄関に向かって駆け出す。俺の家とガッキーの家は歩いて5分くらいだ。つまり、走れば2分。一刻も早く、真実を確かめるために。無実の罪から救ってあげるために。俺たちは今まで、瞑さんを一方的に被害者だと思い込んでいた。アメに聞くのが一番の近道だったんじゃないか!!

俺の家の前、門を突っ切り玄関を開け放つ。「アメっ!!」玄関先で呼ぶと、とてとてと何かが階段を降りてきた。アメだ。昼寝中だったらしく、毛並みが少し乱れている。おまけに顔が鬼の形相だ。引っ掻かれませんように。

「ちょっと来て!」細心の注意を払って優しく抱き上げ、同時に駆け出す。アメはただならぬ雰囲気を感じ取ってくれたのか、引っ掻いてはこなかった。そのことに安心したが、たっつんが逃げていやしないか心配だ。

全速力で2分を駆け抜ける。足がもつれて、何度も転びそうになった。こんなことなら卓球部の朝練ちゃんと参加しとくんだった!

2回までの階段が思ったよりもきつく感じる。体力的疲労と、おまけに精神的疲労も来てる。ガッキーの家の前まで来た時には床にへたり込みそうなくらいに疲れていた。

それでもやっとの思いでドアを開ける。

 

中にはまだ、たっつんがいた。

「よかった……。」思わず声に出てしまい、慌てて口を覆う。

「僕が逃げるとでも思ってたのぉ? 自白までしたのに。はああははっはああっは!!」

さっきと同じ位置に座りなおす。アメは俺のひざの上だ。

「ガッキー、紙と鉛筆ある?」「ちょっと待ってろ。」そう言ってガッキーは奥の部屋に消えていった。

「その猫が、『母さん』ですかぁ。」たっつんの飲み込みの早さは異常だった。

「ほい、クモ。」ガッキーが差し出した紙と鉛筆を受け取り、それらを机の上に並べる。アメが机に飛び乗り、鉛筆を構えた。

「瞑さん。あなたは、歩道橋の階段を上っているところをこの男に突き落とされた。9年前の話ですから記憶は朧かもしれませんが。どうですか?」

アメはサラサラと紙に鉛筆を走らせた。

そこに書かれたのは、

【ちがいます。】

あまりにも残酷な6文字だった。

47話fin.

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