歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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私立永遠星学園高等部生徒会資料7

七冊目

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湿っぽいにも程がある密室で待つこと2分。

「あっぢい……。」俺はすでに根を上げていた。ただでさえ窓があかず暑い部屋だというのに、湿気までプラスされてはたまらない。熱帯雨林か何かみたいだ。

ところがこんな状況であろうと、涼しい顔をしている奴がいる。

「お前、暑くないの?」地獄谷はベストを着ているし、俺よりも暑いはずだ。なのに。

「私は熱なら48度、冷気なら-12度まで耐えられるの。今の気温は37度ってとこかな。」平然と言い放つさまに次第にムカついてくる俺。

「お前は金庫か何かか。」さりげなくツッコミを入れ、無言を決め込む。えんまもそれ以上突っ込んでこなかったので、部屋にはまた静寂が訪れた。

そういえば、すごい湿気だ。カバンの中身は大丈夫だろうか。 

まだ立ち上がれそうもないし、えんまに頼むのも癪なので、這ってカバンまで進む。さながらシャクトリムシなんだろうなぁ、今の俺。

やっとたどり着いたカバンは、表面がまずべしょべしょだった。いや、まだ中身は無事かも。一縷の望みをかけてカバンを開く。中の教科書は奇跡的に無事。『透過。』も濡れずに済んでいた。 良かった。一時はどうなるかと。

安心したところで何か後期の視線にさらされていたことに気づく。恐る恐る振り向くと、えんまが一生懸命に笑いをこらえていた。なんだよ、見んなよ!!

「その……ぷ、床、だいぶ濡れてるけど………ぷふ……?」笑いながら喋るんじゃねぇ……! あと、お前はずっと立ってるからいいけどな、俺はずっと這いつくばってんだぞ、水滴なんか気にしてらんねーんだよ!!

「知ってるよ……。それよりさ、今何時かわかるか?」あいにく俺は時計を持っていない。ケータイ……は、濡れちゃってるからな。この機会に防水のが欲しいぜ。

「湿気でいかれちゃってる。2時3分。」たしかに、それはありえないな。窓の外、やぐらにかけてあるビニールシートの隙間。そこから差し込んでくる光がだいぶ弱々しい。せいぜい5時、6時ってとこか。

「そろそろ見回りの人が来ると思う。電気つけて待ってよう。」

「なんで電気付けるんだ? 暗いから?」

「カマギリって意外にもアホなの? 電気をつけておけば見回りの人が扉を開けて消しに来るでしょ。」あ、なるほど。でもアホじゃないぜ。学年13位だよ?

「気長に待つか。」もうほとんどの水蒸気は水に戻ってしまったようで、室内のそこかしこに小さな水溜りが出来ている。机や椅子の上にも水滴が付着していて、あとで吹くのが面倒だなぁと思った。だが、幸いにも俺は生きている。肺に水が入りまくって気持ち悪いが、なんとかなるだろ。多分。日本の医療技術は伊達じゃないぜ!!

えんまは照明のスイッチに走り寄って、カチッとやる。水蒸気のせいでバチッと電流が走ったが、照明は問題なくついた。えんまは何ボルトまで耐えられるのだろうか。

これからえんまのあだ名は『金庫』だな。……殺されるな。心に中に留めておこう。

 

「ところで金庫……、じゃなかった地獄谷。」思い切り口をすべらせた。

「ん?」言い方は可愛いけど、首をかしげながら睨まないでください。怖い怖い。

「今日の朝、蛍が集会ちょっとサボってたみたいなんだけど……。あいつサボったりするような奴だったっけ?」かねてから気になっていたことを口にする。

「さぁ……。サボってまでするようなこと……。蛍は何してたの?」やはりえんまにも心当たりがないようで、しきりに首をひねっている。寝違えた人みたいだ。

「電話してたよ。相手はわからないけど。多分外部の人間。」学校にいるなら電話なんてしなくてもいいからな。カモフラージュかもだけど。

「そう……。」そういったきりえんまは黙り込んでしまった。それでも俺を睨むことだけは忘れていない。よほど根に持っているんだな……。今のうちに土下座したほうがいいのかもしれない。

早く来てくれ警備員さん。こっちは軽く命の危機なんだ。

 

七冊目fin.

挿絵書くのに飽きてきた黒城です←

昔から『お題に沿って描こう!』みたいなの苦手なもんで……。

AUTHOR: ab-kanade-love-07-01 DATE: 10/08/2012 19:31:59 なん…だと…… まぁ、死ななければいいんじゃないかなぁ
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