歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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私立永遠星学園高等部生徒会資料13

十三冊目

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目を覚ました俺は、笑顔のりっくんに見下ろされる形になっていた。

「おはよう、鎌切。いい夢は見られたかな?」「疲れすぎて夢見ませんでした。」正直に感想を述べる。いや、実は変な夢を見たんだが……。内容は伏せておこう。

「昨日はちゃんと寝たか?」「あ……はい。まぁ。」肺がちゃぽちゃぽして寝るどころじゃなかったのが真実だ。ほんとに犯人許さねえわ。俺の健全な肺を……。一晩寝たら治ったけど。

「2年に進級できたからって油断するなよ? 社会に出れば実力の世界だ。」「うぃ。」机にのべっていた体勢から起き上がり、ノートを広げる。はじめの方の板書は、当たり前だが消されているもよう。悔しいが生徒会メンバーに頼るとしよう。ちょうど今日は定期テストの結果が配られたところだ。毎回恒例見せあいっこを開催しよう。みんな嫌がるけどな。

「じゃぁ、今日の授業はここまで。各自復習を怠らないように!」シャーペンをくるくる回しているうちに、りっくんがお決まりのセリフを述べて残っていた板書を消し去ってしまった。俺何にも書いてないのにいいいいい。

「きょーっけー。」気の抜けた号令がかかって、全員が一斉に立ち上がる。

「ありがとぅーございましたー。」なんかネイティヴな発音が混じった挨拶で締めくくられた。なんだとぅーって。

 

さて、帰りの準備を始めるか。とは言っても、まだ帰らないけど。

今日は5月第一木曜日、つまりは委員会の日なのだ。クラスの約半分が委員会に在籍しており、委員会の日は6限がなく代わりに委員会を行うのだ。委員でない生徒は先に部活をはじめる。1日の授業時間が少ない代わりに、夏期休暇や冬季休暇、春季休暇が少ない。つまりは授業日数が多いってことだな。これはこの学校の特色だと思う。俺がここを選んだ理由の一つでもあるし。

てきぱきと教科書を詰め込み、カバンを担ぐ。委員会の日は終学活がないのだ。教室の後ろの扉から外に出て、まっすぐスケ部の部室に向かう。

スケ部の部室は生徒会室とは反対側の、教室の並びの端っこにある。廊下の突き当たりにある部室は角部屋で広いのと、日当たりがいい。そのへんから学校側からの評価が高いことも伺える。生徒会とは違うベクトルの天才が集結してる部だから、学校も無視するわけにはいかないんだろうな。推薦ではいった奴も多いらしいし。

部室の前に立つと、既に中からは話し声が聞こえている。活動に出ていない生徒は基本依頼待ち、つまりはすることがないのだ。そのへん楽だよな。

引き戸をスライドして、顔を突っ込む。

「木白いる?」「はーい、いますよ。柏ー。」「ちょっと借りてくわー。」木白レンタル宣言をして廊下に出る。ほどなくして木白が廊下に出てきた。

「今日は何でござるか?」低めの身長に、ふわふわした茶髪。イメージとしては天然系女子である。系ってか天然だけどな。その証拠に、靴下の長さが左右で違っている。

 「新入りの歓迎会だよ。」「へぇー、そうでござるか。」ぽてぽてと足音を響かせながらあっさり告げる。心なしか下をうつむいている気がする。

「意外と驚かないんだな。」「えー? 驚いてるよ?」顔を上げて、にっこり微笑む木白。コイツはコイツで小動物的な可愛さを兼ね備えてる。とか、考えるのは俺の周りに女子が少ないからだろうな。なんだろ、髪のせいかな。

「ござる忘れてる。」「あ。気づかれちゃったでござるか。」えへへと頭をかきながら目をそらされた。コイツは嘘をつくと語尾のござるが消える。その前に語尾がござるの女子ってどうなんだろう。

「拙者を差し置いてほかのやつを生徒会に入れるなんてって、思っただけでござるよ。」少し陰りのある表情でそう言われると、罪悪感がこみ上げてくるからやめてほしい。俺がいじめてるみたいじゃないか。

「木白は『躯持ち』じゃないし、第一スケ部の仕事があるだろ。」それとなく逃げ道を探ってみる。木白の目を見ていられなくて、斜め上を見上げた。

「まぁ、ね。この道を選んだのは拙者でござるし、後悔はしてないよ。」またござる消えてる、と言いかけて口をつぐむ。木白の目が少し潤んでいた。

「いつでも遊びに来いよ。」そう言って頭をぽふぽふしてやる。細くてやわらかい髪が指に絡まって、少しドキッとした。

「うん……。」そう言って木白はぶかぶかのカーディガンの袖で目を拭う。

なんでこんなことで泣いてんだか。まったく。

「にゃーんてねっでござる!」いきなりの大声に2センチ程飛び上がる。

「拙者がそんなことで泣くと思ったでござるか? 実は今度演劇部の助っ人を頼まれてるんでござるよ。それの練習に近かったのじゃが、うまくひっかっかってくれたでござるな!!」さっきとは打って変わって満面の笑みで俺を見てくる木白。

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「なんだよ、びっくりさせんなよな……。」本当にコイツ、白水のいとこか?

「ふふー! あ、ついたでござるな。」とてとてと引き戸に近づき、横にスライドする木白。そろそろ生徒会室にもみんなが揃っていることだろう。

木白に促されるままに中に入り、カバンを席に下ろす。部屋の中は既に机が並べ替えられていて、会議室を彷彿させた。

 

「これより、5月期生徒会及び新入りの歓迎会をはじめる!」

 

十三冊目fin.

あれ、木白しか新キャラでなかったぞ……。

次こそ全員集合編です。

AUTHOR: ab-kanade-love-07-01 DATE: 11/06/2012 19:54:53 あ、明日から沖縄行ってくるんで お土産はあげないよー そして、42話を見てから最終話を見るようにねー
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Comment

ab-kanade-love-07-01  

ついに全員……ありゃ?www
そして、歌ってみた系は投稿すると絶対後でなくパターン

2012/11/03 (Sat) 20:04 | EDIT | REPLY |  

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