歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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九月二日『エンドロール?』

 九月二日。晴れ。

 今日から授業も始まり、本格的に二学期のスタートだ。授業は一学期の復習から始まったので、そっと視線を窓の外に移す。綺麗にならされたグラウンドが眩しい。
「宇木、ここは。」
「あ? 十二です。」
「正解。」
 ノートの隅に書いた筆算を消して、再び窓の外に目を向ける。当たり前だがさっきと何も変わっていない。グラウンドは、だ。
「ん。」
 上空から何か落ちてきていた。それもすごい速さで。何かすごく嫌な予感がする。
「腹痛いんでトイレ行ってきます。」
 振り返り際にもう一度窓の外を見る。もう少しで地面に届こうかというところだった。足音を殺しながら廊下を駆ける。内履きのままグラウンドに出て、落下予測地点を見極めつつ走る。間に合うか? いや、間に合ったところで受け止めきれるか? 衝撃は? 熱は? 腕持ってかれるかもしれないぞ?
「考えても仕方ない!」
 思いっきり目を瞑って滑り込んだ。背中で何かが勢いよく二、三回跳ね、内臓を揺さぶる。
「うぐっ。」
 背中の上の何かを横に転がして体を起こす。吐き気に耐えながら目を開けると、海色の宇宙人が転がっていた。
「……おい、生きてるか?」
「……ハイ。」
 あの宇宙服の衝撃吸収能力には呆れかえるばかりだ。動いているものは弾き返す。俺が間にはいれば地面にめり込まずに済むってわけだ。俺はちょっとめり込んだけど。
「カッコ悪いのデス、ロケットから落ちたのデス。」
「だから言っただろうが。バーーーカ。」
「次のロケットはいつデス。」
「さあな。」
 玄関から教師が駆けてくるのが見える。遠目からでもわかる、ものすごい剣幕だ。
「とりあえず、」
「ハイ。」
「ずらかるぞ。」
「ハイ。」
 まだ痺れが残る体を無理やりに動かして走る。ぷよぷよの宇宙服に包まれた手を握って。
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