歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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八月二十三日『にらめっこ』

 八月二十三日。名残雨。

「宇宙人でも血は赤いんだな。」
「中身は出来るだけ地球人に似せてあるのデス。」
「ふーん。」
 それは擬態というより肉体改造の類なのでは。星に帰った時にちゃんと戻れるのだろうか。元に戻すことなんて考えてもいないのかもしれないけど。
「足はどうよ。」
「さっきトウコさんにバンソコーを替えてもらったのデス。」
「痛くないかって訊いてんだよ。」
「別に昨日から痛くないのデス。」
「嘘つけ。めっちゃ痛そうだったじゃん。」
「本当なのデス。」
「……まー、何でもいいけどさ。」
 まろ眉と半目で表情の機微が読み取りづらい。元々は人型ではないと言っていたし表情筋が発達していないのかもしれない。
「にらめっこしようぜ。」
「ニラメコーンとは何デス?」
「向かい合って先に笑った方が負け。」
「ほウ。」
 数回にらめっこをしたのだが結論から言うと全敗した。強いとかいうレベルじゃなくて何が面白くて笑っているのかわからないらしい。俺だって真顔の何が面白いのかわからないけど笑ってしまうもんはしょうがない。
「はー。腹筋割れる……。」
「何が面白いのデス?」
「知らねえよ。面白いもんは面白いんだっての。」
「むゥ。」
 微妙に頬を膨らませている。それができるなら笑えよと言いたい。言いたいけれど素直に言ってしまうのは非常に癪なのだった。
「ご飯にしましょ。」
「ハイなのデス。」
「……。」
「ヒロちゃん?」
「うん。今行く。」
 なんで祖母には笑いかけるのか説明していただきたい。
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