歪曲骨家。

創作小説置き場です。

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八月二十日『鈍感』

 八月二十日。うすら寒い。

 足を前後に開いた状態で膝を軽く曲げ、腰をひねり、腕を左右に伸ばし右手は上に、左手は下に直角にひじを曲げる。目を限界まで開いて口をすぼめ、姿勢を確認してからもう一度正面に向き直る。
「ハニワ!」
「……ハニワ?」
 渾身の一発芸だったのだが伝わらなかった。よく考えれば宇宙人が埴輪なんて特殊な名詞を知っているはずがない。
「あー、何か昔の偉い人の墓に乗っける、インテリア? 的なやつだよ。」
「そんな滑稽な顔してるのデス?」
「まあ一種滑稽ともいえるな。」
 滑稽に思ったなら素直に笑ってくれてもいいのだけど? なぜ終始真顔だったんだ?
「それでハニワがどうしたのデス?」
「今日埴輪の日じゃん。」
「そうなのデス?」
「いや今決めたけど。」
「何なんデス?」
「訊くなよ特に意味はねえよ。」
 冗談の通じないやつめ。だから宇宙人は嫌なんだ。こいつ以外の宇宙人に会ったことないけど。
「じゃあなんでハニワしたのデス。」
「もういいわ埴輪は。忘れろ。」
「不可解なのデス。」
「お前にゃ一生わかんねーよ。」
 まだ頭上に?を浮かべている。手で叩き落としておいた。ゲラゲラ笑ってくれるかと思ったのにとことん期待を裏切ってくれる。何のために体を張ったのかわからなくなってきた。
「今日のヒロト変なのデス……。」
「うっせ。」
 あと十日しかねえんだよ。笑えよバーカ。
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